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絶賛!「対話」で創作を楽しむ子~心に響く”まーちゃん”太鼓教室③

10/18木、”まーちゃん”太鼓教室の最終回。

初めての出会いから、約半年。

1回目、演奏の楽しさを味わうこと。

2回目、一緒に新しいフレーズを練習したこと。

その後、自分たちで曲づくりを工夫してきたこと。

子供たちと支える先生たちの様々な思い、

たてわり班で取り組んできた練習の成果が、新曲の中に織り込まれています。

 

「滝にかかる虹」という創作曲を披露する初めての本番です。

冒頭、先生から、送り出しのペップトーク。

「学芸会にむけて演奏を観てもらってアドバイスをいただきましょう。心の準備はいい?」

しなやかに頷く子供たち、凜とした空気の中、

6年生3人と、スタートのたてわり班が太鼓の前に並びました。

「そーれ!」で勢いのある音が奏でられ、

合間に、「ドン(せいっ!)ドンドンドン(せいっ!)」とかけ声が入ります。

 

最初のチームが終わると、6年生3人が間をつなぎます。

その出入りの様子をみて、3人のリーダーたちはニコニコと笑みを浮かべています。

(うまくいっているぞ・・・)

次のチームがそろったところで、バチの合図で2ndのメロディーが入ります。

「せーの!」

チームによってリーダーの合図も変わります。

 

 

2度のチーム入れ替え、

つなぎのフレーズもオリジナリティが入ります。

誰かが用意した譜面通りではなく、

一小っ子が「創作」した工夫の後が響きとなって心に伝わってきます。

そして、スピード感のある盆太鼓の節で全員が揃い、

壮大な音量で一小っ子が受け継いできたリズムを打ち、

工夫したフィナーレで締めました。

 

 

終わった瞬間、まーちゃんは「ピーっ!」と口笛を鳴らし、拍手喝采。

「小学生でこのフレーズができるのは凄い!」と感嘆されました。

(そのフレーズを教えたのは、まーちゃんでしょ・・・とツッコミたくなりました。)

 

さらに、よくするためのポイントを話し合いました。

各チームごとに、声の出し方や、バチの打ちおろしなど、再度チャレンジし、相互に良かったところを伝え合います。

「Aさんの笑顔が良かった!」

「Bさんの声が大きくて良かった!」

「Cさんの打ちおろしがかっこよかった!」

次々と意見が出され、お互いを励ましあう表情やリアクションが素敵でした。

 

また、3グループの入れ替えの場面で、まーちゃんから、バチを鳴らすアイデアをいただき、その練習もしてみました。

「バチでリズムをうちながら、声を出す」

「これはとっても高いレベルのこと」とまーちゃんは言いながら、

(タン タン タ タン せいっ!)とリードする。

すると、子供たちは真似してスーッと挑戦に向かう。

まーちゃんみたいにカッコ良く打ちたいという願いが伝わってきます。

「音を通じた心の対話」

が相互のコミュニケーションを生み出し、チームが結束する力が高まる様子が見て取れました。

この通りに本番で演奏するのではなく、

こういうやり方もあるよというアイデアを生かして、

自分たちで工夫していく過程にこそ価値があると考えています。

 

休憩後、合唱曲TOMORROWを聴いていただきました。

2部合唱の曲は、音色を揃えて声を出すことは難しいですが、

高い音を伸ばす、低い音で支えるなど、

自分の役割を声で表現することも練習しました。

とにかく、表現するのが楽しい様子が伝わってきて、これもまた絶賛でした。

「あとは細かいところを、先生から聞いて、みんなで練習してね。」

 

最後に、まーちゃんが南米の楽器をリレーで演奏、

合間には床を叩くなど、演奏が川の流れように展開していきます。

そして、ドラムを打ちながら歌声も披露します。

♪みんなで歌おうラララー

この曲を聴くのは3度目、音よりも歌詞に意識が向かったようです。

 

「生きていれば苦しいこともあるけれど・・・」

楽しく前向きに生きていこうよというメッセージが心に響いたようでした。

 

3度も学校に来て、生の演奏を聴かせていただくことに加えて、

自分たちの学びをサポートしてくださったことに子供たちはとても喜びを感じていました。

 

学芸会本番での子供たちの演奏は、一つの通過点ですが、

そこには、これまでの学びの楽しさを味わうこと、

これから先に向かう新たな発見があることと思います。

多くの方に、ご来場いただけると嬉しいです。

 

最後まで、お読みいただき、ありがとうございました。

非認知能力を育む一小太鼓アップデート大作戦!

2023年、一小太鼓の活動は新曲への挑戦を目指しています。

4月から、朝、たてわり班で太鼓活動を始めました。

三宅島太鼓をモデルに横打ちに挑戦。足幅を広げて、姿勢を低くして打てる体づくりをすることがねらいです。

建物の基礎を作るように、「足場固め」が大切です。

そして、使っていなかった大太鼓・和太鼓を含めて19台の全ての太鼓で、全員で太鼓を叩く体験をしました。

ここまでが、第1段階。ギア1

 

次は、たてわり班で創作に挑戦です。

ドラマーの木村正人さんに南米の太鼓などの多様なリズムを習い、自由に打つ体験をしました。

そして、チームに分かれて曲を打つ活動を始めました。

これを元に、40周年記念出前授業で北海若衆太鼓のメンバーの力を借りて、勇壮な演奏を聴き、一緒に創作活動を体験しました。

たてわり3チームに分かれて、それぞれが曲作りを通して、

心で打つ、声を出す、構え、など、仲間と共に創り上げる楽しさを味わいました。

この経験をもとに、町のお祭りでは、これまで長年取り組んできた3曲を編曲するアクションが生まれました。

その成果を町のどんとこい祭りで披露することができました。

また、第一自治振興会のふるさと祭りでは、盆太鼓の練習するために、羽衣太鼓まで通うなど自主的に参加する子が増え、主体的な活動を楽しむ子供の様子が見られるようになりました。

ここまでが第2段階。ギア2

 

そして、夏休み明け、工事で体育館が使えない状況でも、特別教室などに太鼓を振り分け、たてわり班に分かれて新曲創作練習が始まりました。

その取り組みの成果を、10月30日の学芸会で披露する予定になっています。

リーダーの6年生を中心に、子供たちが自分たちで練習を進めています。

先生は、楽譜起こしや、曲のつなぎ目での声出しなど、サポートに徹しています。

9月5日、しばらくぶりに太鼓練習では、みんな楽しそうに打つ様子が見られました。

これからの進化をお楽しみに!

 

 

 

 

 

まーちゃん太鼓教室「ふしづくり」を楽しむ(芸術家派遣事業②)

朝早から、まーちゃん(木村正人さん)が来校、太鼓やドラムの搬入をしているところに、「おはようございます!」と1・2年生が元気に挨拶をしてくれました。

その後、自分たちが使う太鼓を並べるお手伝いをしていました。

2回目の授業テーマは、「ふしづくり」です。

東川第一小学校は”創作太鼓”に取り組んできた40年の歴史があります。

これまで、地域の太鼓チームの方々に指導を受けて節目ごとに創作した曲を、子供たちが先輩が後輩に教え伝え、現在は3曲を継承しています。

今年は、子供たちが運動会でつくったテーマ、

「応援」できる!

「協力」できる!

「挑戦」できる!

をもとに、心を一つにしようとたてわり班で創作への取り組みが始まりました。

冒頭は、まーちゃんの模範演奏を聴き、基本となる節を教えていただきました。

基本リズムを何度も何度も叩いて、体が自然と動くまで頑張って練習しました。

 

休み時間、まーちゃんの周囲に集まる子、個人練習をする子、

たくさんの音が交錯する賑やかな体育館には、

普段から太鼓を遊びの一部として親しんでいる子供の姿がみられました。

木村さんを招致したコーディネーターにも授業参観いただきましたが、

「休み時間のカオス状態がいいですね…」

と後で話題になりました。

 

2時間続きの後半戦、3つのチームごとに、

「ふしづくり」に集中して取り組みました。

ホワイトボードに節の順番を書く子、

それをサポートする子、

メンバーにやり方を伝えて引っ張る子、

アクセントを入れるところを一緒に叩く子、

など、子供たちが協力する姿が素敵でした。

 

自分たちでやりたいことをみつけ、

工夫して創りあげていく協働的な学びが展開されていきます。

 

試行錯誤して9つの基本の節の順番を変えてアレンジし、

できたところまでで中間発表をしました。

 

木村さんは、がんばっている子供たちの取り組みを認め励まします。

そして、さらによくするためのヒントとして、

「同じリズムを4回、8回、とみんなで同じリズムを叩くのもあるけど、

一人ずつ、つないでいくこともできる、

また、いろんなリズムを次々と組み合わせていくこともできる」

と実演を交えてアドバイスしてくださいました。

その後の練習では、5・6年生がリーダーシップを発揮して、

木村さんの助言を取り入れて、

”節のリレー”に挑戦するチーム、

順番を変えるチーム、

アクセントを工夫するチーム、

いろんなリズムの打ち方を工夫しました。

そして、3チームの節をつなげて演奏してみました。

2分に満たない短い演奏ですが、

子供たちは、新たな「ふしづくり」を体験しました。

ふしづくり動画

 

演奏後、

「今日は新しい曲をつくることが楽しかったです。」

と低学年の子が実感を発表しました。

そして、リーダーシップを発揮した6年生は、

「新しい節をおぼえて、みんなに伝えて、初めてで大変だった」

という語りの中に充実感が伝わってきました。

 

ラスト演奏前のトークで、

「まーちゃんは、途中から感動してウルウルしていました。上級生が下級生をちゃんと教えていてね・・・」

と伝え、

力をつけた子供たちの頑張る姿をたたえ、

RAVVASTで幻想的な曲を演奏してくださいました。

子供も大人も癒やされました。

<木村さんに協力いただいた経緯>

木村さんとの出会いは、令和4年の秋、地域交流センター「ゆめりん」にて行われたJAZZコンサートでした。東川町文化ギャラリーの方にイベントにご招待いただき、ふらっと訪れたコンサート。

そこでドラムとパーカッションを担当されていたのが木村さんでした。木村さんのつながりで、ニューヨークで活動をされているピアニストなど、各地で活躍されているプロミュージシャンの生演奏を聴く貴重な機会が生まれたことを知りました。

ゆめりんホールの開放的な空間で聴いた音楽の調べは、心と体を活性化するエネルギーに満ちていました。

その後、”あの心に響く躍動感・リズム感を子供たちに体験してもらいたい”というモチベーションが湧いてきました。

最後に、担当の先生から、

「次にまーちゃんに会うときには、ここまでできたよと言えるようになったらいいね」

と子供たちを勇気づける、モチベーショナルトークを届けました。

 

次回は、10月の学芸会前に、来校いただく予定です。