子どもの「問い」から特別授業へ
「走り方ってあるんですか?」
この一言から、外部講師を招いた授業が生まれました。
教室では子どもの興味・関心を高める様々な工夫をしています。
フィードバックとして「リレー練習の動画をみてみない?」と問いかけた先生、
それに反応した一人の子。
走り方のフォームについての素朴な疑問には、
本番で「勝ちたい」という目標と、速く走ることへの憧れがこめられていると感じました。
「きっと、あるよ。きいてみようか?」
過去に指導をうけた経緯がわかり、子どもの願いを伝えました。
即座に担当の先生が依頼に動き、スポーツボランティアが来校することになりました。
翌週、全校リレー練習に外部講師として来校された2人は、クロスカントリー少年団の指導など、町内でスポーツ振興に尽力されています。
これまでも、マラソン大会や体力テストなどのサポートをしていただいたので、子どもたちは歓迎ムードの中
授業が始まりました。
はじめは、ミニハードルを使って、飛び越える動作。次に、ジャンプ。腕を上方にあげて、ジャンプ。
各動作を見本を示して2回ずつ繰り返し、運動時間を確保しつつリズム感のある流れで、子どもたちはやる気満々で挑戦しました。
特に、腕ふりには時間をかけて、肘をまげること、後ろにひくことを繰り返し、その要素を生かして、
前方に飛ぶように走る完成形にもっていきました。
準備体操も含めて30分程度、その後、2チームに分かれてリレー練習。
チームには、大人も入り、講師の2人は1走となりました。
号砲とともに、ロケットスタートと歩幅の広いダイナミックな走りをみて、子どもたちから「はやーい!」と歓声があがります。
低学年にバトンは渡り、元気にコースを周回していきます。
続く中学年も腕を振ってリズミカルな走りをしていきます。
そして、高学年、バトンパスもスムーズで本番さながらの展開に、大人も本気を出して走りました。
アンカーの6年生がゴールするまで、手拍子、声援が鳴り響きました。
よくあることですが、子どもの中には練習では本番のように力を出さないようにする傾向があります。
しかし、今日の練習では、まったくそんな様子はありませんでした。
そして、一人一人が自分最高の走りをしようと、腕を振り、足を上げ、リズムを刻むようなステップで駆け抜けたリレーでした。
子どもたちがつないだバトンは「やる気」です。
「走り方ってあるんですか?」
という一人の子の声が、全員の本気につながった瞬間。
担当の先生の指名や子どものリクエストで急に走ることになって戸惑いながらも走った先生、
その姿を微笑ましくみてサポートした先生たちも、何か心に感じるものがあったようです。
今年の重点目標は「自動前心」。その姿がみえました。本番が楽しみです。