朝の和太鼓で「気」合いを入れる
週1回、和太鼓を叩いて脳にスイッチを入れてから授業が始まります。
学芸会が終わった翌週、
体育館に行ってみると、
太鼓教室に参加した精鋭3人が前に出て、
ドン♪ 「セ」!
ドン♪ 「セ」!
と、「一小打ち」をして、全員であわせる様子でした。
新しい「気」を入れる空気を感じました。
そこで、今週の練習では久々にバチを握って、
子どもと一緒に太鼓を楽しんでみました。
「真似してね!」
バチの構え、足の構え、声、
一つ一つの動きで「きめ」を意識させて、
ゆっくりと打ち込みをしてみました。
ずっと気になっていたことがありました。
それは、打っていない時の姿勢です。
話を聞くときには、
太鼓には触れない、
バチを揃えてもつ、
こういう所作ができて、音が揃うようになります。
学芸会の発表では、これらがきちんとできていました。
練習でできないのは、「気」が緩んでいるからです。
バチをおかせて、近くに集めました。
「学芸会の発表はすばらしかった。どうして音が揃ったかわかる?」
(練習したから)
勿論、そうだけど、あえて「違う」といいました。
ほどなく、
(「心」がそろったから)
と言った子がいました。とても素敵なこたえです。
「そうだね。心がそろうから、音がそろうんだね。」
一度習ったことを、子どもは、きちんと覚えています。
けれど、時に、忘れてしまうのです。
大切なことを思い出す機会を設けることが、支える大人の役目だと思います。
1「教えて、褒める」
2「問うて、気づかせる」
3「一緒にやって、できたことを喜ぶ」
4「一緒にやって、途中で手放す」
5「自分でやらせて、みとめる」
6「自分でやらせて、振り返らせる」
小さなステップを踏んで、子どもを成長に導いていくこと。
そういう感覚をもっていけば、子どもはついてきます。
新しい節を口で唱和します。
「すっトン すっトン、ドドーンドンドン」
ひざの上で素振りをして、あわせました。
声を揃えれば、心がそろって、音も揃います。
それから、バチをもって打ってみました。
「できない!」
とつぶやいた子がいます。
でも、時間切れです。
「今日はここまで。」
すると、バチを体の前にあわせている子がいます。
「合格!」
次々と姿勢が揃っていきます。
「打ち方は揃わなかったね。でも、初めから出来る人はいません。」
「聞く姿勢は、全員合格です。」
「礼」
(礼)
さっと、太鼓を片付けて、清々しい姿で教室に戻っていく子ども。
わずか10分の練習でも、うっすらと体が温まり、心地よい朝が始まりました。