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体づくり〜ストレッチで伸びるのは筋肉だけではない〜

工事で体育館が使えない中、初雪がとけたグラウンドでサッカーをするなど授業を工夫しています。

11月16日の中休み、全校でのパワフルタイムが行われました。学芸会の取り組みもあって、2ヶ月ぶりの開催です。

パワフルタイムは月に1回程度、体力テストの種目を行うなど、定期的に体の状態を把握できる機会を設けて、運動習慣の意識づけをしています。

 

今回のメニューには、その分析から明らかになった課題の1つである”柔軟性”を養う内容を取り入れ、

町からスポーツ指導者を招いて、15分間のポイント練習を行いました。

 

講師の中川さんは、スポーツクラブや高校の部活動などの運動指導もされており、多様な経験を生かして、短時間の中でも効果を高める運動プログラムを用意してくださいました。

子供たちにとっては、自分の体の変化を体感し運動習慣づくりに向けた”やる気”を高める機会となりました。

また、教師陣にとっては、運動指導の基本を学ぶ機会にもなりました。

その基本の流れを抜粋し、写真を入れて解説します。

(実際に体を動かしていただければ、その効果を体感していただけることと思います。

かなり効き目があるので、体に無理のない範囲でお試しいただければ幸いです。)

 

初めに、体の状態をモニタリングし、運動メニュー後の状態と比較するためのポーズを取ります。

<モニタリング(事前)>

1前屈確認

2長座体前屈ストレッチ(確認)

<ポイント練習5>

①クラウチングスタート 左右3秒キープ×5回

②ジャックナイフストレッチ 3秒キープ×5回

<ポイント解説>

これらの動きをする時に、足の太ももの裏側(ハムストリングス)を伸ばすことに加えて、お腹側も意識することをアドバイスされました。

体の前側と後側の相互作用で、体のバランスや柔軟性が保たれていることを、”視覚”と”聴覚”と”体感覚”を総動員してわかりやすく、伝えてくださいました。

③ハンドウォーク 5回分

④アンクルエクステンション 左右3秒キープ5回

⑤開脚AST

<モニタリング(事後)>

1前屈確認

2長座体前屈ストレッチ(確認)

 

✨感動体験で変わる子供の声✨

事後モニタリングをすると、子供たちは体の変化に気づき「おお!」「変わった!」「やわらかくなった!」と、喜びの声をあげていました。

15分間のメニューを終えて、「体が変わった人?」とハンズアップ動作で尋ねた時の様子です。

【記事タイトルから探究する学びへ】

〜ストレッチで伸びるのは筋肉だけではない〜

問:他に伸びたものは何でしょう?

「天井に突き刺さるような子供の手」、「やる気」、「指導者の腕」、他にもあるかもしれませんね。

 

指導者目線で解説します。

このようにダイレクトな効果反応が起きるのが”優れた授業の組み立て”(技術)です。

そして、見本を見せる、示範する”技”も必要です。

闇雲に何か体を動かせば効果が出るわけではなく、正しい”技術”と”技能”を学ぶことが大切です。
”探究的な学び”の実現に向けて、難しく考えることはありません。
先生が探究すれば子供も探究します。

これから教員を目指す方、部活動指導員や地域のクラブなどで子供の運動指導に関わる方には、子供のやる気を引き出す関わり方を参考にしていただきたいです。

そして、現場の先生方も、これまで培った技量に磨きをかけるために、

「すべては子供たちのために」、「全ての子供たちのために」、

そして、ご自身の体のパフォーマンスを良い状態にするためにも、挑戦・学び続ける姿勢を大切にしていただけたらと思います。

(かくいう私、腰痛予備軍です。久々に子供と一緒に動きましたら、”パワフルタイム”の名の通り、パワフルなメニューが体にこたえました…。)

 

✨「目的論」思考〜ネガティブをポジティブな力に変える「できる」を口にする習慣づくり〜✨

<運動の目的>
ちなみに、ストレッチには静的ストレッチと動的ストレッチがあります。

静的ストレッチは、上記メニューのように、主に怪我を防ぐために体の柔軟性を保つことを目的としています。

ラジオ体操には静的ストレッチと動的ストレッチの両方が入っています。

「♪〜足を閉じて両足跳び」は、ジャンプなので動的ストレッチです。

例えば、ランニングは”前方に移動する連続ジャンプ”の運動です。ですから、準備運動は動的ストレッチの方が適切です。

このように、主に行う運動の目的に合わせて、適切な準備体操を行うことが大切です。

 

<目的論思考> 

何かを目指す、できるようになりたい(させたい)なら、

「どうやったらできるか」を口に出すこと。

これが目的論思考です。目的に応じて、その手段が変わります。

身体だけでなく”思考にも柔軟性”が必要です。

この思考が身につけば、感動を生み出す工夫ができるようになります。

できないのは、コンフォートゾーンから抜け出すことを諦めている、やろうとしていないだけなのです。

自分だけの力でできないなら、人の力を借りる、他の成功事例を真似するのも一つの方法です。

自分はできるを信じる、”自己肯定感”を保つ言葉を口にすることが始まりです。

(どうやったら空を飛べるんだろう・・・)

今、飛行機で世界を移動することができることが、昔は、当たり前ではなかったように、勘違いのような思い込みと探究心が未来を変えていくのだと思います。

 

<真の目的は?>

とはいえ、無謀、無理は禁物です。命を守る準備は大切です。運動というのは命を守ための術を身につける練習という位置付けもできるのではないかと思います。

指導者だけでなく、保護者の方々や一般の皆様方も健康第一で、お身体を適度な刺激を与えつつ、くれぐれもお大事に・・・。

(お礼)今回の会場は、学校前の自治会館です。一日防災学校の折には、自治会・敬老会の方々も一緒に合同授業を行うなど、いつもお世話になっております。ご協力に感謝申し上げます。

✨運動習慣づくりに向けて〜朝の体力づくりの効果✨

 講師の先生は、12月のパワフルタイムにもお越しいただけることになっています。事後の談話で、放課後の過ごし方など日々の習慣づくりについて話題になりました。

運動でバランス能力や空間認知、上肢・下肢の供応動作など調整力を鍛えることで、記憶力・思考力・判断力などの知的思考の活性化が期待できること。

また、運動習慣について授業で意識づけはできますが、それを日常の活動や、放課後、家に帰ってからの遊びなどと関連づけをすることが大切だということ。

 今年度、朝のたてわり活動を導入、音読で声を出す、カルタ、リトミックや軽くランニングをしてから太鼓を打つなど、リズム感を養い、「音楽」と「運動」を継続してきました。その中で子供たちの記憶力・リズム感の伸びが著しいこともお伝えしましたら、「とてもいい取り組みですね」とコメントをいただきました。

 他の体力テストの種目で課題となっている「反復横跳び」「立ち幅跳び」「50m走」について、”瞬発力”、”調整力”、”リズム感”を養う運動として、

音楽にあわせて行う「リズムステップ」、「リズムジャンプなどを体力づくりの練習メニューに効果的に取り入れる工夫についてもアドバイスいただきました。

 今後も、朝のチャレンジタイムや授業など、継続的に外部講師の方と一緒に練習できる機会を設け、「できるようになったよ」、「またやりたいな」などの子供の喜びの声を聞けることを楽しみにしております。

今後ともご協力をよろしくお願いします。