人生を豊かにする「前向きな言葉かけ」いつもありがとう

今週は各学年の参観日が行われています。

公開される授業は1時間ですが、その時間にみえる子供の姿は毎日の積み重ねです。

本校の強みは何か?

と問われたら、

「子供をまるごと受け入れ広い心で接している」こと。

しないことは何?

と問われたら、

「子供を叱らない」こと、

と自信をもっていえます。

 

他人と一緒に過ごす中では何かとトラブルは起きます。

その時に、どうしてそうなったのかを一緒にみつけることが大切だと考えています。

スタートは、

「どうしたの?」

と状況を把握します。次に、

「どうなったらいい?」

と理想の状態(目標)を定め、

「どうすればいい?何か手伝えることある?」

と方向づけと後押しをする。

問題を客観的に捉えて、解決にむけて寄り添う関わりです。

 

先生と子供のやりとりをみていると、こうした場面をよく見ます。

授業に集中できないときがあれば、声をかけて状態を把握し、「待ってるよ」と無言のサインを出して、動き出すまで見守る。

忘れ物などがあれば、道具を貸して活動の手助けをする。

「雨にも負けず」の詩にあるような対応が日常的に行われていることに心をうたれます。

「自立」する子が育つ環境は、大人が「待つ姿勢」・「手放す感覚」から生み出されると感じています。

 

高学年の参観授業は鑑賞でした。曲を聴いて思い浮かんだ自分の考えを書く活動。

低学年の音楽授業は、リズムを感じて自分が選んだ動物の鳴き声を表現する活動。

2つの授業の共通点は、「自己決定」する活動です。

自分で決めたことには責任が伴います。

子供は自分で選んだことは最後までやり遂げようとします。

しかしながら、

「怠ける」、やらないことを「ごまかす」、面倒くさいことから「逃げる」、

都合よく理由をつけて「正当化する」、「批判する」ことで自分を守るなど、

人は心に何か弱い部分をもっていることには気をつけなければなりません。

その心の状態が行動に出てきたときには、

「違うよね、本当はこうしたいのかな?」と問いかけなど、正しい行動を促すことがあります。

その際も、「前向きな言葉かけ」で共感的に伝えることを大切にしています。

説諭する場合も、子供の心に染みいるように、信頼関係をつくる努力を積み重ねています。

 

「教諭」は教え諭すと書きます。

「教える」のはそれほど難しいことではないのですが、

「諭す」のは鍛錬を積んでできるようになるものだと、

これができることが、先生の専門性だと感じています。

 

ご家庭でもお子さんの対応で悩むことは誰もが経験されていることと思います。

親には心配をかけたくないと思うのが子供です。

言葉や態度の奥にある子供の「心」がみえていますか?

本当に思っていることは何かを感じようとしていますか?

子供は何かサインを送っているものです。

それがわかったときに親も成長すると思うのです。

(気がつかなくてごめんね、教えてくれてありがとう)

そういう気持ちをもって子供の姿を見つめる大人であっていただきたいと願っています。

 

保護者の方のみならず、子供の様子や先生がどんな授業をしているかをご覧いただく機会をもうけて、

「地域の大人」が相談にのってくれる「あたたかく見守る学校」

映画「みんなの学校」に表されている「世界観」を皆さんで共有し、

様々な意見を交わして、

人生を豊かにする「前向きな言葉かけ」を大切にしていく、

あたたかいコミュニティになっていくことを夢見ています。

 

今日、ご家庭で職場で、大切な方にどんな言葉をかけますか?

まず、心の中で唱えていただきたい魔法の言葉があります。

(いつも、ありがとう)

次に出てくる言葉に何か変化がおきるかもしれません。

 

まず、鏡にむかって自分に声をかけてみましょう。できれば声に出していただけると幸いです。

(いつも、ありがとう)