地域連携出前授業のつくりかた(認知症サポーター養成講座・介護劇体験)

本校では、主体的な学び、対話的な学び、協働的な学びの実現にむけて、カリキュラム・マネジメントを進めています。

出前授業を実施するポイントは、学びを生み出す教員が、専門職として外部講師を招いて、直接または間接的な体験学習を導入することで、思考・判断する場面を設けて、深い理解を促すところにあります。

もう一つのねらいは、こうした出前授業を通して、地域と連携・協働で教育活動を充実させるところにあります。

CSR(企業の社会貢献)による出前授業が行われていますが、それらは企業に望まれる人材育成や企業理念の実現というねらいがあります。

その点が教育活動のねらいと合致するなら、協働で授業・教育活動の充実をめざすことは、社会・経済の発展に寄与することになります。

何より、鋭敏な感覚をもつ子供が、社会の変化にダイレクトに触れることは、キャリア形成やwell-beingの観点から、意義深い学びにつながります。

ただし、学校の授業を行うのは専門職である教員でり、外部人材活用を含めて教育課程を改善していくには、準備する時間が必要です。

その点を考慮していただける方々とパートナーシップを築き、今回のような出前授業の企画が生まれていきます。

授業にむけて入念な打合せを行い、写真のような場面が実現しました。以下、授業ダイジェストと担当者の振り返りを綴ります。

[体験活動後の介護劇](ロールプレイのモデル)

  高学年は認知症サポーター養成講座を行いました。

高齢者疑似体験を含めて認知症予防の基本的対応について、事例をもとにして自分ごととしてとらえていました。

保健福祉課と社会福祉協議会 5 名のサポーターによる「介護劇」は圧巻でした。お財布を無くしたと思い込んだお年寄りに寄り添う言葉かけをする場面で、2 人の子役が良い例と悪い例を演じます。

2 時間の学習を振り返り、行動化して思考の深まりを促す展開、クライマックスで担任と子供による劇へと発展します。笑いの中で介護のポイントを踏まえた「人に優しい」対応を実践する姿が見られました。

(令和4年1月学校便りより)

[高齢者疑似体験]

認サポは2時間はかかるものだと認識していました。

ジュニア版にアレンジされていることに加え、

理論60分、疑似体験20分、介護劇の間接体験10分、正味90分、
豊富なワーク・事例、子ども用にアレンジした問いも交えて、
2時間の授業の中に入れ込み、実り多き学びの機会をいただけたことに、心から感謝しております。

子どもたちも学習にしっかり臨んでくれた様子が伺えました。

振り返りの介護劇に、本日の学びの要素が凝縮されていたと思います。

機会をみて、職員やPTA、CS委員など、地域の方々にも今回の授業について共有します。

6年生は中学に進み、サロンなどの活動にも目が向くことと思います。

「人にやさしいコミュニティづくり」にむけて、
学校で出来ること、地域と連携して出来ること、共に考えていけたら嬉しいです。

課長様、社会福祉協議会会長様をはじめ、関係各位にも感謝申し上げます。(打合せ担当)

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子ども達に感想を聞いたところ,「楽しかった」「よくわかった」と言っていました。

 体験することで,よりお年寄りの大変さに気付いたように思います。人の心に寄り添える子ども達を育てていけたらいいなと,改めて感じました。準備等大変だったと思いますが,素晴らしい授業でした。(授業担当)

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(保健福祉課 担当者様より)

本日は朝早くからありがとうございました!

チームの総力により、私たちも大きな第一歩を踏み出すことができたと感じています。コロナ禍で低迷していた様々なことを掘り起こし、新たな土台作りが必要な時だと思っていますので、認知症に限らず今後も様々なことをみなさんと一緒に学び、共生のまちづくりの一助となることができれば幸いです。

久しぶりにあんなに長時間、人前で話しました!改めて教員の皆様のご苦労を思い知ることができました…ありがとうございます!!

子どもたちが最後に玄関まで来て見送ってくれたこと、外へ出てからも「さようならー!!」と窓から手を振ってくれたこと、すごく嬉しかったです!!

今後とも、『誰もが活躍する居場所と役割のあるコミュニティづくり』のためご指導、ご鞭撻いただけると幸いです。


私たちも貴重な時間を過ごさせていただきました!ありがとうございました!

※介護劇の地域デビュー実現を目指します!!