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【“心をつなぐ”一小巻き大会】
1月29日、東川第一小学校にて、一小巻き大会が行われました。第一小学校PTAが主催。小学生の兄弟,幼児から大人まで約80名が参加しました。冒頭、過去のイベントの様子を、保護者カメラマンが撮影した写真スライドで振り返りました。
その後、会場設営班,お米を炊く班,具材の調理班に分かれて準備を始めました。
のり巻きは、長机4本をつないで最大約8mの長さでセッテョング。簾(すだれ)の代わりにロール紙をひいて、その上で一枚一枚のりをつないで、下地をつくります。
お米をといでザルで水をきり、大きな釜でご飯を炊き、調味料を入れて酢飯をつくります。大人の助けをかりながらも、3・4年生が段取りよく準備を進め、洗い物も進んでやっていました。
巻物に入れる食材は、きゅうり、かんぴょう、しいたけ、かにかま、卵焼き。多くの具材を、卒業生や大人からアドバイスをもらって、5・6年生が連携プレーで準備していました。
これらの具材の準備には、食育の観点から「地産地消」の取組が代々受け継がれてきました。かんぴょうは5・6年生が学校園で育てたものを、秋に収穫して干しておきました。椎茸は地元の農家さんにいただき、校内で菌床栽培したものです。お米は3・4年生が稲作体験で育てた東川米を農家さんから提供いただきました。
一通り、具材準備が終わった頃、突如、謎の「ゆるきゃら」があらわれました。名前は「マッキ-」というらしいのですが、卒業生が自由研究で一小にまつわるものとして考案したそうです。こうした盛り上げる雰囲気が生まれるほど、子どもたちに愛されていた一小巻き大会。
場内アナウンスの合図で、酢飯と具材が体育館へ運び込まれ、いよいよ一小巻きの始まりです。待ってましたとばかりに、子どもも大人もニコニコして、会場に向かいます。
体育館には3列のテーブルに、6mが2本、8mが1本の長い海苔の下地ができていました。あわせて20mの太巻きが完成する想定です。子どもたちが配置につき、サポートする大人が間に入ります。会場には、ちょっとした緊張感とワクワクが漲ってきました。
教養部長さんがスライドを使って巻き方の手順を説明。海苔からはみ出ないように酢飯を敷き、きゅうり、たまご、しいたけ、かんぴょうを手際よく並べていきます。
「ここちょっと厚いんじゃない、はみ出ちゃうよ」、「ご飯が足りないよ」、
などと声をかけあって具材を調整するなど、助け合う様子も見られました。
そして、いよいよクライマックスは、「一小巻き」です。すべての場所を同時に巻かないと、うまくいきません。そこで、合図で一斉に、下地のロール紙を持ち上げて巻きます。最初は経験豊富な高学年からチャレンジ。
「3・2・1、一小巻き~!」
クルクルっとロール紙が巻かれて、あっという間に長い筒ができました。そして、紙をはがしてみると…、具材はすべて海苔の中に隠れています!
最後に、仕上げ巻きをして完成!
「できた~!」と歓声がおきます。
そこから、「一小巻き」をみんなの手で持ち上げます。再び、わーっと拍手がわき起こりました。
その後、中学年では、少し具材がはみ出るハプニングに「あまり気にしないように…」との声かけに笑いがおきました。
「できるかな」と、少し心配そうだった低学年も見事に完成!写真撮影では「どうだ!」とばかりに自慢たっぷりの表情を浮かべる子もいて、微笑ましい一時が生まれました。
完成した一小巻きは包丁で仲良く等分され持ち帰り用のり巻きに変身。
閉会式後、役場の方のインタビューでは、4年生が
「ご飯を洗うときに何回も繰り返さないといけなくて手が冷たくて大変」
「みんなで巻くときが楽しかった」
「欲張りすぎてバクハツした、具材が多すぎで…」
「食べるのが楽しみ」
「来年もやりたい」
と振り返り、笑顔で答えていました。
こうした活動を通してコミュニケーション力や協調性が養われることを肌で感じる貴重な機会となりました。
(取材:一笑麻樹)
<荒谷校長からメッセージ>
今、東川第一小学校では、自己肯定感を育む前向きな言葉かけ“ペップトーク”を授業や日常活動に取り入れ、お互いの良さを認め励ます関わりを大切にしています。日々の活動を振り返り、よかったことを見つける習慣づくりが、未来を拓く力につながると考えているからです。子どもたちには、今回のようなイベントは保護者や卒業生、地域の人の温かい気持ちから生まれた素敵なこと、当たり前ではなく“有り難い”こととして受けとめてほしいです。こうした経験を生かして、自分にできることを見つけて新しいものを創り出す“冒険心”をもって前向きに歩んでほしいです。できるかどうか、ではなく、できると信じて、チャレンジしましょう!
学校の教育活動について~”一笑麻樹”が「一小巻き」の歴史を紐解く~
質問をいただきました。
~「一小巻き」が学校行事から外された経緯~
を知りたいという内容です。
今年度の教育計画には、
____________________
保健・給食係
「一小巻き大会」の計画・運営に関すること
_____________________
という文言があります。その経緯について調べてみました。
始まりは、「食育」という観点から係が企画したものだと伺っています。
そこに、賛同したPTA会員が協力、地域の方々にも参加していただき、新聞記事にも載るなど盛大なイベントして行われるようになったということです。
ところが、コロナウィルス感染症への対応で、飲食を伴う活動は自粛せざるを得ない状況となり、開催できなかったようです。
それまでは、全校参観日にあわせて行っていたとのことです。
スタートは、学校の担当者の発案から生まれたものですが、
PTA・地域の協力を得ながら任意のイベントとして継続されてきました。
しかし、カリキュラムの中には入っていなかったのです。
年間授業計画にないのに、続いてきたのは不思議な感じがしますが、
年度途中で「試行」されたものが慣例になることはあります。
「一小巻き大会」は、保護者・地域の人に愛され、支えられることで、
慣例として続いてきた「文化」といえるでしょう。
現状では、
令和4年度の学校行事時数計画表には、「一小巻き」は位置づけされていません。
授業カリキュラム(教育課程)の中にも、位置づけはされていません。
つまり、「学校行事」ではないのです。
学校行事ではありませんが、全校参観日という授業で行ってきた経緯を考えるに、
この「文化」を残していくことについては尊重していきたいと考えています。
では、どのように存続していく道を探るか。
そのことを明確にする必要があると考え、11月のPTA役員会で協議していただきました。
そこで、「PTAの行事として任意で行う」という確認がなされました。
その後、企画を担ってきた教養部で検討し、その方向性について確認しました。
そして、12月8日の理事会で提示することになりました。
理事会では、
「変更するのであれば、もう少し早く見解を出してほしかった」
というご意見もいただきました。
確かにそうだと思いました。
お伝えすることが遅くなったのは、上記のように、手続きを踏む時間が必要だったからです。
ただし、授業ではできないという判断は、昨年度末の段階でなされていました。
ですので、年間行事予定には全校参観日は入っていませんでした。
それは、できるかどうかが未知数だったことがあります。
そして、「一小巻き大会」のあり方について、PTAと協議して見直す一年にするという考えがあったからです。
判断というのは、情報を集めなくてはできません。それには時間も必要です。
正しいか正しくないか、それは、やってみなくてはわかりません。
私としては様子が分からない中で、判断することはできませんでした。
そういう意味では、
今回、PTA役員、そして会員の皆さんのお知恵を借りて、
時間をかけて協議したことで、最適解を出すことができたと思います。
さて、授業では、12月に、やっと、調理実習を再開することができました。
感染症予防対応のため、飲食はせず、作り方の体験学習までにとどめています。
その観点から言うと、PTAの行事を学校で行うのは一向に構いませんが、
飲食を伴う場合については、
感染症予防対策はもちろん、実施方法についても、
慎重な判断をしていただきたいと考えます。
そして、今後についての見解を示します。
「学校の教育活動は地域とともに創り上げるもの」
という認識でおります。
とはいえ、たとえ、感染症対応が必要なくなったとしても、
今のカリキュラムでは、「一小巻き大会」を授業の中に取り入れることは困難だと判断します。
ですので、校務分掌の係の仕事から削除するのが妥当と考えています。
一つは、平成29年から始まった東川独自の”GLOBE”という特別の教科を行っていること。
これに伴って、通常は70時間ある総合的な学習の時間35時間が削られていること。
この制約が外れない限り、他教科、特別活動などをあわせても、
ねらいを達成するための位置づけを明確にすることを含めて、
授業の中で捻出するのは、かなりの無理が生じます。
今、教育現場に求められていることは、
日本経済の再生にむけた「資質・能力」を身につけることです。
例えば、
DXへ対応するためのタブレット端末の活用、
GLOBEの改善・充実、
先行きの見えない時代の変化に対応するために”GRIT”(おれない心)、
”自尊感情”・”人間関係性”・”自己決定”などの「非認知能力」を重視すること、
これを保障するための「道徳教育」の充実です。
教職員には、これらの「授業」を生み出すための準備する時間が必要なのです。
ですから、これまで地域の皆さんの力で培ってきた素敵な活動は、
今後も生活を楽しくするための活力を生む”潤滑剤”となるように、
無理のない範囲で、参加したい方が楽しくできるものを
「文化」として受け継いでいくことが望ましい姿だと考えます。
私自身は、この価値ある「文化」を見たことがありません。
ですので、個人的には是非体験したいと考えています。
任意参加という形とはなりますが、コドモンにて保護者宛に案内が届きます。
ご希望される方は申込みいただき、楽しい一時をお過ごしいただけたら嬉しく思います。
年末年始、第一自治振興会の各種行事が軒並み取りやめになっています。
残念ながら、地域の方にはご遠慮いただく他ありませんが、ご了承ください。
世の中を見渡すと、感染症のみならず、大変な状況が続いています。
様々な変更などへの対応でご苦労をおかけしますが、ご理解の程よろしくお願いします。
(一笑麻樹)