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一小太鼓40th記念出前授業「音を響かせ!」太鼓教室(感想)

7月15日、一小太鼓の出前授業は、ドラマチックな幕開けとなりました。

一小太鼓の立ち上げに関わり尽力された第61回卒業生(昭和35年卒)の方が来校されました。

新曲に挑む子供の活動の様子をみて、

「“素晴らしい!“の一言に尽きる」

とエールをいただきました。

一小っ子は、練習してきた3曲を演奏し、ゲストと保護者・地域の方々を迎えました。

ゲストには、昨年の地域出前教室に続き、北海若衆太鼓19名の打ち手が躍動!

教室のオープニングは、「新」(あらた)という曲を披露され、“心で打つ“音を響かせました。

 

冒頭は、太鼓を打つ基本的な心構えを教えていただきました。

「いい音を出す土台をつくる」という足袋をはく意味も学び、

7月1日に初めて足袋をはいて演奏した「音楽行進」での発表体験とつながりました。

 

それから、たてわり3班の創作活動に一緒に入って”声を出してリズムをあわせる“などポイントを指導いただき、それぞれが新曲を発表しました。

 

その前には、6月、7月と2回に渡って、木村正人さんの演奏指導による基本リズム・節づくりで創作に向かう下地ができていました。

また、4月から、たてわり班の活動に全職員が関わり、異年齢で互いに協力して学び合う楽しさを実感する場が基盤になっています。

共に意見を出し合い、仲間と力をあわせて音を創りあげていく姿には、一体感・高揚感・充実感がみなぎっていました。

 

振り返りでは、若衆太鼓の方から、

「短時間で曲をつくり演奏し拍手をもらいました。みんなの心が伝わった。これはとても凄いことです。」

と励ましの言葉をいただきました。

 

最後に、若衆太鼓が演奏した「しるべ」という曲は、全員ではなく精鋭のメンバーによる演奏でした。

しかし、その漲るパワーは19名の演奏と変わらず、迫力に圧倒されました。

 

授業の終わりに、一小っ子、若衆太鼓の子供たちへのギフトメッセージを贈りました。

「私が若衆太鼓の好きなところは、横でみている仲間からの声援、かけ声です。それも含めて演奏なのだと思います。」

 

大切なのは、人数ではなく、個の力を結集し、心を一つにして、一体感を出すこと。

子供たちには、自分なりの解釈で、「太鼓を打つ心」を感じとってほしいと願っていました。

 

その願いは、音と共に、子供の心に響いていました。

子供たちの振り返り、保護者の感想の一部をご紹介します。

 

<子供の感想(聞き取り)>

・「とっても楽しかった!」と大喜びでした。

・「大きな音でずっとドキドキしていた」と言っていました。

・覚えていてくれた!私も覚えていた!また会えて嬉しい!一緒に曲を作れて嬉しかった!若衆太鼓のみなさんのようにもっともっと太鼓を上手になりたい!好きになりたい!身体いっぱいで表現したい!ひとつになるってすごい!次は学芸会で私たちの曲を聞いてほしいし、一緒に叩きたい!

若衆太鼓のみなさん、大好き!来年も会いたい!もっとゆっくり会いたい!1日いてほしい!もっともっと教えてほしい!たくさん話したいし遊びたい!

・もっと上手になりたい 

・興奮しながら「こう叩いた、あんまり上手くいかなかった、声を出せた、楽しかった」など、身振り手振りを交えて話してくれました。

撮った動画を何度も見ながら、色々解説してくれて

「誰々がうまいんだよなー、この人は去年も来てた」など教えてくれました。

・プロの演奏は凄かった!と興奮しながら話してくれました。

<子供の振り返り>

・太鼓教室で学んだことは、太鼓を使う曲の作り方とみんなでリズムをあわせるのがすごく大事なことです。太鼓教室の皆さんは全員すごく優しくて、いろいろなことを教えてくださり、すごく楽しかったです。叩いてくれた太鼓もすごくすごくて印象に残っています。もしまた会う機会があったら、またその演奏を聴きたいです。

・声をいろんなところで出しているなと思いました。声を出すことは恥ずかしいことじゃないと北海若衆太鼓の人が言ってくれて、私も恥ずかしがらずに声を出したいなと思いました。

・最年長で45歳だったので若い人のチームだと思いました。

・演奏を聴いた時は、とても心まで響きました。心で叩くとはこういうことかと思いました。

・声を出したり、大きい動きをしたりと一小太鼓とはまた違う太鼓の演奏の仕方だと思いました。班に分かれて新しい曲を作る体験では、教わりながら、今までには無かったリズム、動きの曲ができたと思いました。一人だけ違うリズムを叩くところは緊張したけど勇気を出して叩けました。

・北海若衆太鼓の皆さんは表情がとても良くて素敵でした。班長としてやるのがとても難しかったけど、若衆太鼓の人たちに助けてもらっていい曲をつくれたのでよかったです。

・5/6年生の太鼓をたたいた時に力強くたたけました。目線も意識できました。北海若衆太鼓のみなんの演奏を聴いたら、力強くたたいていて、みんなたのしそうにたたいていました。すごかったです。私もみなさんみたいに楽しくたたきたいです。リズム作りでは、若衆太鼓の3人のみなさんとリズムを作りました。いろんな案が出てきて、案を全部つなげてみると、いいリズムが作れました。あり班と、ビタミンB班の演奏もすごかったです。(CCレモン班)

 

<中学年:マンガ思考の振り返り>

<低学年>

・わたしの太鼓の一番の思い出は、曲を作ることをがんばりました。案を一杯出してくれていたので、楽しい気持ちで曲をつくることができました。北海若衆太鼓の人たちが、手伝ってくれて、曲を作るのって楽しいなと思いました。

・一番楽しかったことは、班ごとに分かれてたのしい曲を新しくつくって、最後に楽しくたたいたことが一番たのしかったです。

 

 

<保護者の声>

・今年も若衆太鼓の方たちとの関われる機会を与えてくださり本当にありがとうございました。大人が楽しんでいる姿を子供達が目の当たりにすることで、未来はまだまだ挑戦の延長線上でありそして大人って楽しいってことを感じてもらえる貴重な時間だったと思います。

・フランクな40周年記念であり子供達にとってはたくさん若衆太鼓の皆さんと関われた時間ができて良かったと思います。音を響かす太鼓教室でしたが心まで響かせていただきました。素晴らしい時間と経験、体験を、本当にありがとうございました‼️

・力強く迫力満点の演奏に鳥肌が立ちました。太鼓はこんなにかっこいいんだと改めて感じました。朝早くから東川まで来てくださりありがとうございました。

・今年もお会いできて心震える演奏を2曲も聴かせていただき感無量でした。体育館いっぱい響きわたる太鼓の音、全身全霊の音を、子供達をはじめ会場の皆さんと共に感じられた幸せに感動の涙が自然と出ました。太鼓を通して心がひとつになった時間でした。素敵な時間をありがとうございました。若衆太鼓の皆さんには次は学芸会で子供たちの作った曲を聴いていただきたいですし会いたいです!いつか一緒に演奏できる日を楽しみにこの学びを忘れずに過ごします‼️

・素晴らしい演奏をありがとうございました。演奏の技術はもちろんですが、真剣だったり、楽しく演奏したりする姿、掛け声が、最後まで私たちを釘付けにさせていたと思います。

子どもたちに、人を魅了する演奏を教えていただきありがとうございました。

繋いでいく事、新しいものを生み出すことの素晴らしさを学んでくれたと思います。

・3チームそれぞれ素晴らしい演奏曲になっていて子供の力は無限だなとただただ感動でした。そして若衆太鼓の方たちの助言を聞いてもっともっと素晴らしい曲になり形になり動きになり、完成が楽しみです。

 

この縁が、次の交流につながるとよいなと思います。

 

8月12日、江別市大麻にて、4年ぶりとなる公演が行われます。

一小の子供たちとの交流は、若衆太鼓の方々にとっても、学びのある機会だったようです。

お世話になったお礼に、本番にむけてのエール、応援の言葉を送ります。

(子供たちが考えた運動会テーマをアレンジしました。)

本番前のペップトーク、声に出して活用いただければ幸いです。

協力!できる!

応援!できる!

挑戦!できる!

心で打つ!

北海若衆太鼓!

多くの皆さんに、躍動感あふれる北海若衆太鼓の演奏を感じていただければ幸いです。

 

CS地学協働便り「一小太鼓40周年授業への応援ダイジェスト版」ダウンロード

【感謝のエピソード】”全力の笑顔で輝いた一小っ子”が学芸会に向かう姿

11月13日、学芸会を行いました。

保護者・祖父母のみの公開となりました。

また会場の関係上、人数制限せざるを得ない状況でした。

座席の入れ替え、別室のテレビ中継にてご覧いただく場面もありました。

検温、椅子席の消毒など、皆様方のご協力により、滞りなく進行することができました。心からお礼申し上げます。

 

冒頭は児童会挨拶、静粛なムードの中、舞台の幕あけ。

1年生はじめの挨拶

1・2年生 劇 「ザ・ピーチ!」

桃太郎の話かとおもいきや、

川に洗濯に行ったおじいさんは、実は鬼の親分だった!

猿・きじ・犬のほか、

「桃」が登場人物となる奇想天外なパロディの「ザ・ピーチ!」

長いセリフや落としどころ、立ち回りなど、見せ場では笑いが起きました!

3・4年生 劇 「オズの魔法使い」

一小名物「かんぴょう」のように、”一皮むけた”役者が勢揃い。

配役プロフィールを歌にのせて表現します。

ドロシー、かかし、ライオン、ブリキ、魔女・・

そして、要所でみせる歌と踊りは、まさにミュージカル!

アフレコと生歌の両方を駆使した舞台演出が見事でした。

 

 

そして、伝統の一小太鼓を3曲演奏。

全校児童で演奏するのは、運動会に続いて2回目。

6年生は最後の舞台となりましたが、息の合った勇壮な演奏は流石でした。

5・6年生 「疾風(KAZE)」

1・2年生 「なかよし太鼓」

3・4年生 「旭岳」

 

 

5・6年生 「パラレル」

引きこもりをテーマにした探求型の劇でした。

簡単には覚えられない程の長いセリフの台本をあえて選んだ高学年。

役のなりきり度合いが素敵でした。

6年生 終わりのあいさつ

なかなか練習ができなかった状況でも、力をあわせて本番に向かう姿は、会場の皆さんに”熱”を伝えたように思います。

 

後期スタートの朝会で、

”感動力”を演出する”稽古”をつけました。

 

また、北海若衆太鼓の皆さんを招いての「太鼓教室」という”刺激”も入れました。

(10名の有志が参加。ご家庭から感想・応援メッセージをいただきました。ご紹介します。)

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<子ども太鼓教室を参観した感想>

・授業参観のように、家では見られない子どもの姿や子ども同士のやり取りが見られて、参観して良かったです。あっという間の二時間でした。

・仕事の都合で参観はしていませんが、朝張り切って習いに行ったと聞いています。
和太鼓を習う機会はほぼないことですし、和太鼓を継承している学校もこの辺ではないと思います。
学校の伝統として残していくのであれば、このような機会は必要だなと思います。

<北海若衆太鼓の皆さんへ>

・遠方からお越しいただき、ありがとうございました。初めは緊張していた子どもたちでしたが、とっちさんの話術に引き付けられ、皆さんの演奏と笑顔に引き込まれ、みるみる表情が変わっていくのが分かりました。今までは伝統として取り組んできた一小太鼓だと思いますが、今回の経験を通して新たに本当の意味での太鼓の楽しさを感じられたのではないかと思います。さらに、「目、ひざ、バチ…そして声??」を意識した心で叩く太鼓を、これから響かせてくれるのではないかと期待しています。多くのことを教えていただき、本当にありがとうございました。

・太鼓の演奏に必要な技術や知識を教えていただき、ありがとうございました。
伝統を守り、継承していけると思います。

<子どもの声(家に帰ってからのつぶやきなど)>

・面白かったし、太鼓の良さが改めて分かった。

・若衆さんの話がとても楽しかった

<学芸会の演奏にむけて一小っ子へのエール>

・目、ひざ、バチ…そして、声??を合言葉に、一小っ子の心を合わせて、素敵な演奏を聴かせてください!

・最後まで頑張って演奏してください

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日々、教室では、練習に励む様子、

仲間と力をあわせる姿、

お互いを気遣って声をかける、

大人の助けを借りる場面もありました。

 

そうした小さな積み重ねが、

ほんの一瞬、演技・発表の工夫につながっていたのではないかと思います。

 

「今日のMVPは誰ですか?」

と教職員に聞くと、

Aさんが練習とは違う工夫をしたことに驚きました!

Bさんは本番に強いです!

など、数多くのエピソードが語られました。

 

終わってしまえば、何をしたかは忘れてしまいます。

その中でも、心に何かが残る。

それは一人一人違うものであるはずです。

 

一人として同じではない人生の舞台を楽しんで歩んでいくことを願っています。

 

 

【一小タイムライン】一小太鼓ストーリー

東川第一小学校の伝統芸能「一小太鼓」の歴史を紐解いてみました。

そもそも、これは学校教育の中で「あたりまえ」ではないからです。

何より、和太鼓一台あたりの価格を考えると、小中大19台もの和太鼓があること自体が不思議でなりません。

運動会「旭岳」演奏

写真は、運動会で「旭岳」という演目を演奏する3・4年生です。

 

手前にみえるキトウシ山の色が変わっているところはスキー場です。

その奥に、残雪が残る大雪山系の「旭岳」がみえます。天気の良い日に見える景色は格別です。

つまり、この曲は雄大な北海道の最高峰「旭岳」をイメージしてつくられた曲です。

学校の廊下に掲示されている年表によれば、この曲は平成19年に採譜されたとあります。

15年もの間、代々受け継がれてきたことになります。

現在、教職員の中に和太鼓が得意な専門家はいません。

では、どのように、この伝統が引き継がれたのでしょうか。

まず、時間についてですが、教育課程の中に和太鼓の活動入っていて、総合的な学習、朝の帯時間に練習時間が設定されています。

上の学年が次の学年に叩き方を教える「伝承」によって受け継がれてきました。

こうした活動を続けるコツは、

マンネリ化させずに、「新鮮な空気感」をどのように吹き込むかにあります。

なかよし太鼓への応援メッセージ

「なかよし太鼓」メンバーに、一小太鼓サポーターを紹介する様子

 

そこで、今年は、地域の方に練習の様子を公開し、見守り活動から感じたことなど、

メッセージをいただく仕組みを取り入れました。

 

サポーターさんに応援メッセージをいただきました。

「一小太鼓をはじめて聞いた時は感動しました。みんなのがんばって叩いている太鼓は観てくれるお客さんの心にきっと響きます。元気いっぱい楽しんで叩いてください。」

「一小っ子のたくましさ、力強さをたくさんの方に観ていただき、太鼓のすばらしさを伝えてくださいね。」

「伝統芸能を今年も盛り上げてください。参加できたことは、一人一人の思い出になると思います。」

 

サポーターで来校された寿あじさいクラブ会長さんに、

昭和59年前後が始まりとのことを伺い、記念誌で調べてみました。

昭和58(1983)年

今も続いている伝統の一小太鼓は、この頃に発足した。一小の自慢がまた一つ増えた。音楽行進での演奏は、沿道の人たちに感動を与えたそうです。

 東川町内児童生徒音楽の集いで法被をまとった演奏発表している写真が掲載されていました。

昭和61(1986)年 一小太鼓を全児童で継承

昭和63(1988)年 東川招魂祭、一小太鼓出演(7月)

そして、今年、老朽化のため、リニューアルすることになった看板は、25年間の歳月を経ていることがわかりました。

平成8(1996)年 一小の看板を校舎正門前に設置(11月)

今年の7月30日のお祭りで演奏する曲は、「旭岳」と「なかよし太鼓」の2曲です。

高学年は「かぜ(疾風)」を演奏したかったようですが、

その思いは胸の内に秘めて、磨き上げる機会と捉えてほしいと

 今、演奏している3曲も、初めからあったわけではなく、地域の太鼓チームの指導も取り入れながら、

少しずつ「変化」、「進化」してきたことがわかりました。

 

子供たちには、今まであるものを継承することに加えて、

新しいものを取り入れ工夫する視点に気づいてほしいと願っています。