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「卒業・進級」にむけた成長の姿~言葉がもたらす行動変容
卒業式前の練習。時間をとって挨拶や礼のやり方を学びます。
毎日の学級での練習、個人練習などを積み重ねていくと、次第に上手くなっていきます。
例えば、今回の在校生の「よびかけ」で一番多く出てくる言葉は「ありがとう」です。
「ありがとう」の言い方一つで、相手に伝わるメッセージ、印象は変わります。
「明るく」
「歯切れ良く」
「嬉しそうに」
「その場面を思い浮かべて」
これらの言葉のイメージが、声のトーンや抑揚の変化につながっていきます。
例えば、歩き方も同じです。
「ササッと」
「スーッと」
「前を向いて」
「遠くをみて」
一つ、意識するだけで、動きは変わります。
所作も同じです。(礼、座る、立つ、歩いて向きを変える、等)
一つの動きを洗練させていくと、それは「美しさ」となり、
その動きができることに自信をもつようになります。
芸事(茶道、華道、書道、剣道、柔道、等)の動きは、稽古・鍛錬を重ねた上での極みだと思います。
海外から来られた方が、日本の文化を学びたいと習い事をすることがあります。
それと同じように、日本を離れて外からみて気がつくことが多々あると思います。
卒業式・入学式は、儀式的行事です。
卒業式は、日本の文化の素養を身につける初歩となる体験なのではないかと思います。
10歳に満たないシングルエイジの子が卒業式に出ることは、なかなか大変です。
正直なところ、面倒だな・・・と思う気持ちもあると思います。
見方を変えれば、小さな学校ならではの貴重な体験です。
練習に向かう中で我慢する力も鍛えられます。
練習のたびに、子供の小さな変化をみつけては、
アイコンタクトや身振りなどの非言語メッセージ、
言葉かけや文字コメントなどの言語メッセージで、
認め励ます関わりを大切にしています。
子供が小さくガッツポーズをしたり、ニコッと微笑んだりするなど、
自分の成長を喜ぶ姿をみたとき、
この仕事を通してのやり甲斐を感じます。
参列される保護者・地域の来賓の方々も、
行事の一場面をみて、子供の変化を感じることがあると思います。
その折りには、励ましの言葉をかけていただけると幸いです。
学校の教育活動について~”一笑麻樹”が「一小巻き」の歴史を紐解く~
質問をいただきました。
~「一小巻き」が学校行事から外された経緯~
を知りたいという内容です。
今年度の教育計画には、
____________________
保健・給食係
「一小巻き大会」の計画・運営に関すること
_____________________
という文言があります。その経緯について調べてみました。
始まりは、「食育」という観点から係が企画したものだと伺っています。
そこに、賛同したPTA会員が協力、地域の方々にも参加していただき、新聞記事にも載るなど盛大なイベントして行われるようになったということです。
ところが、コロナウィルス感染症への対応で、飲食を伴う活動は自粛せざるを得ない状況となり、開催できなかったようです。
それまでは、全校参観日にあわせて行っていたとのことです。
スタートは、学校の担当者の発案から生まれたものですが、
PTA・地域の協力を得ながら任意のイベントとして継続されてきました。
しかし、カリキュラムの中には入っていなかったのです。
年間授業計画にないのに、続いてきたのは不思議な感じがしますが、
年度途中で「試行」されたものが慣例になることはあります。
「一小巻き大会」は、保護者・地域の人に愛され、支えられることで、
慣例として続いてきた「文化」といえるでしょう。
現状では、
令和4年度の学校行事時数計画表には、「一小巻き」は位置づけされていません。
授業カリキュラム(教育課程)の中にも、位置づけはされていません。
つまり、「学校行事」ではないのです。
学校行事ではありませんが、全校参観日という授業で行ってきた経緯を考えるに、
この「文化」を残していくことについては尊重していきたいと考えています。
では、どのように存続していく道を探るか。
そのことを明確にする必要があると考え、11月のPTA役員会で協議していただきました。
そこで、「PTAの行事として任意で行う」という確認がなされました。
その後、企画を担ってきた教養部で検討し、その方向性について確認しました。
そして、12月8日の理事会で提示することになりました。
理事会では、
「変更するのであれば、もう少し早く見解を出してほしかった」
というご意見もいただきました。
確かにそうだと思いました。
お伝えすることが遅くなったのは、上記のように、手続きを踏む時間が必要だったからです。
ただし、授業ではできないという判断は、昨年度末の段階でなされていました。
ですので、年間行事予定には全校参観日は入っていませんでした。
それは、できるかどうかが未知数だったことがあります。
そして、「一小巻き大会」のあり方について、PTAと協議して見直す一年にするという考えがあったからです。
判断というのは、情報を集めなくてはできません。それには時間も必要です。
正しいか正しくないか、それは、やってみなくてはわかりません。
私としては様子が分からない中で、判断することはできませんでした。
そういう意味では、
今回、PTA役員、そして会員の皆さんのお知恵を借りて、
時間をかけて協議したことで、最適解を出すことができたと思います。
さて、授業では、12月に、やっと、調理実習を再開することができました。
感染症予防対応のため、飲食はせず、作り方の体験学習までにとどめています。
その観点から言うと、PTAの行事を学校で行うのは一向に構いませんが、
飲食を伴う場合については、
感染症予防対策はもちろん、実施方法についても、
慎重な判断をしていただきたいと考えます。
そして、今後についての見解を示します。
「学校の教育活動は地域とともに創り上げるもの」
という認識でおります。
とはいえ、たとえ、感染症対応が必要なくなったとしても、
今のカリキュラムでは、「一小巻き大会」を授業の中に取り入れることは困難だと判断します。
ですので、校務分掌の係の仕事から削除するのが妥当と考えています。
一つは、平成29年から始まった東川独自の”GLOBE”という特別の教科を行っていること。
これに伴って、通常は70時間ある総合的な学習の時間35時間が削られていること。
この制約が外れない限り、他教科、特別活動などをあわせても、
ねらいを達成するための位置づけを明確にすることを含めて、
授業の中で捻出するのは、かなりの無理が生じます。
今、教育現場に求められていることは、
日本経済の再生にむけた「資質・能力」を身につけることです。
例えば、
DXへ対応するためのタブレット端末の活用、
GLOBEの改善・充実、
先行きの見えない時代の変化に対応するために”GRIT”(おれない心)、
”自尊感情”・”人間関係性”・”自己決定”などの「非認知能力」を重視すること、
これを保障するための「道徳教育」の充実です。
教職員には、これらの「授業」を生み出すための準備する時間が必要なのです。
ですから、これまで地域の皆さんの力で培ってきた素敵な活動は、
今後も生活を楽しくするための活力を生む”潤滑剤”となるように、
無理のない範囲で、参加したい方が楽しくできるものを
「文化」として受け継いでいくことが望ましい姿だと考えます。
私自身は、この価値ある「文化」を見たことがありません。
ですので、個人的には是非体験したいと考えています。
任意参加という形とはなりますが、コドモンにて保護者宛に案内が届きます。
ご希望される方は申込みいただき、楽しい一時をお過ごしいただけたら嬉しく思います。
年末年始、第一自治振興会の各種行事が軒並み取りやめになっています。
残念ながら、地域の方にはご遠慮いただく他ありませんが、ご了承ください。
世の中を見渡すと、感染症のみならず、大変な状況が続いています。
様々な変更などへの対応でご苦労をおかけしますが、ご理解の程よろしくお願いします。
(一笑麻樹)